今週の算数・数学フォト

2022.09.19

最古のコンクリート電柱

日本最古のコンクリート電柱

はるかさんと、北海道の函館市にやってきたよ。函館市といえば、美しい夜景。日本三大夜景の一つとも言われているんだ。

でも、ルーロー、まだお昼だよ。夜景が見られるまでには、ずいぶん時間があるんじゃない? それよりも私が気になっているのは、この不思議な電柱。カドにぶつかったら、痛そうだね。だけど、すごくかっこいい。

あっ、よく気づいてくれたね。実はこの電柱も、ぜひはるかさんと一緒に見たかったんだ。これは、今から100年近く前に作られた、日本で最初のコンクリート電柱だよ。当時の函館市は火事が多かったから、それまでの木製にかわって、燃えにくいコンクリートが初めて使われたんだって。

へええ。そういえば、今の電柱はほとんどコンクリート製だね。でも、どうして四角柱なんだろう?

北海道拓殖銀行 函館支店が建てられたとき、それに合わせてデザインされたらしいよ。そして正確に言えば、この電柱は四角柱ではないんだ。その看板にくわしく書いてあるから、ちょっと見てみてくれる?

【今週の算数・数学フォト】最古のコンクリート電柱02

ええと、なになに? 高さは10mで、底辺は47cm四方、上辺は19.5cm四方だって。上の方がだいぶ細いんだね。だからスッキリ、かっこよく見えるのか。四角錐を途中で切ったような形だね。

こういう形を「角錐台」というんだよ。もし、途中で切れていなかったら、元の四角錐の高さはどれくらいだったんだろう? なんて、考えてみるのも面白いかも。

ずいぶん高くなりそう! 横から見た、こんな図で考えてみるね。切り取った部分の三角形と全体の三角形は相似だから

\(x:47=(x-1000):19.5\)

となるよね。計算してみると、\(x=1709.09…\) だから、約1700cm。ということは、約17mだ。

【今週の算数・数学フォト】最古のコンクリート電柱03

さすがだね、はるかさん! 街を歩いているといろいろな立体に出会うけど、こうやって形を考えたり計算したりすると、どんどん親しくなれるような気がするね。さぁ、夜景を見るまでには、まだまだ時間があるよ。次はどこに行こうか。函館市は、他にも見所がいっぱいの街なんだ。

【今週の算数・数学フォト】最古のコンクリート電柱04

*日本最古のコンクリート電柱/北海道函館市。

〒040-0053 北海道函館市末広町

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