今週の算数・数学フォト

2022.09.05

縄文時代を想像しよう

三内丸山遺跡

*出典:JOMON ARCHIVES (青森県教育委員会撮影)

今日は、あみさんと、青森県の「三内丸山遺跡」を見にきているよ。縄文時代の大きな集落跡で、土器や石器などがたくさん見つかっているんだ。ヒョウタン、ゴボウ、マメ、クリなどの植物も、栽培していたらしいよ。

えっ? つまりゴボウやマメを、畑で作っていたということ? 縄文時代といえば、狩をしたり、自然に生えているものを食べたりしているだけだと思ってた。

ところが縄文時代にも、以前に考えられていたよりずっと高度な暮らしや、高い文化があったらしいんだ。ここ三内丸山遺跡での調査も、たくさんの新しい発見につながっているんだよ。たとえば、建物の跡にしても、小さな竪穴住居だけじゃなく、いろいろな種類のものが発掘されているしね。

建物といえば、ますりん、ものすごく高い、あれは何? さっきから不思議だと思ってたんだ。

「大型掘立柱建物」だよ。あのすぐ近くで、直径が2mで深さが2mもある大きな穴が、きれいに同じ間隔で6つ、発掘されているんだ。直径が1mもある、太いクリの柱の一部も残っていた。その跡から、おそらくこのくらいの規模の建造物があったんじゃないかなー、と想像して復元されたものなんだよ。縄文時代に、これだけの測量技術や労働力があったなんて、びっくりしちゃうよね。

【今週の算数・数学フォト】縄文時代を想像しよう02

*大型掘立柱建物跡調査風景/写真提供:三内丸山遺跡センター

へえぇ。あれほど高いものが建てられるくらい、深くてしっかりした穴だったんだね。でも、復元された建物の高さはどれくらい? ここは周りに大きな建物もないし、見当がつかないよ。うーん。
あっ、そうだ! 建物の、影の長さなら測りやすいかもしれない。それから何かの棒を立てて、その影の長さも測ってみれば……。

おっ。いいね、あみさん。比例の関係を使って、調べることができそうだね。

そうそう、比例の関係だ。ええと、影の長さは元のものの長さに比例するわけだから
(棒の長さ) : (棒の影の長さ) = (建物の高さ) : (建物の影の長さ)
で、高さを求めることができるよ!

うんうん、バッチリだ。はるか昔から、高い木の高さを知りたいと思う人は多かったと思うんだよね。たとえば、江戸時代に書かれた『塵劫記(じんこうき)』という算術書。このページの左の方にいる人は、直角二等辺三角形を使って、大きな松の木の高さを調べているね。

【今週の算数・数学フォト】縄文時代を想像しよう03

*三内丸山遺跡/青森県青森市。日本最大級の縄文集落跡。2021年、「北海道・北東北の城門遺跡群」としてユネスコの世界文化遺産に登録された。

〒038-0031 青森県青森市三内丸山

その他のコンテンツ