今週の算数・数学フォト
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- しきつめて、市松模様
*写真提供:長岡市
今日は、あみさんと新潟県の長岡市に来ているよ。ここは、「アオーレ長岡」。
5000人を収容できる大きなアリーナから、たくさんのホールやシアター、屋根つきの広場、それに市役所までが一体となった公共施設なんだ。いろいろなイベントが開かれているよ。
カベにある白黒の模様が、よく目立つね。四角形がたがいちがいに並んでいるだけなのに、かっこいいな。
「市松模様」という名前の、伝統的な模様だよ。ここのパネルは長方形だけど、たいていの市松模様は正方形でできているね。あみさんが言うとおり、シンプルなのに、すごくかっこいいのが不思議なんだ。
すきまなく、キレイにしきつめられているからかな。正方形や長方形だから、できるのかもしれない。でも、もしかして、長方形じゃなくてもできる? ええと……あっ、いろいろできそうだ。
考えの広げ方がすごいなぁ、あみさん。そして実はね、しきつめのポイントは、角が集まっている部分にあるんじゃないかと僕は思っているんだ。あみさんはどう思う? たとえば、市松模様の場合、1つの点にいくつの角が集まっているかな。
市松模様なら、4つだね。あ、待って、何か思いつきそう……。長方形の角は直角で\(90^{\circ}\)だから、1つの点に4つの角を集めるとちょうど\(360^{\circ}\)になるでしょう? そして、正三角形の角は\(60^{\circ}\)だから、1つの点に6つの角を集めると、ちょうど\(360^{\circ}\)になる。つまり、1つの点に集まる角の合計が\(360^{\circ}\)になるように並べれば、いろいろな図形で、しきつめができるんじゃないかな! ますりん、どうしよう。私、大事な秘密に気づいちゃったかもしれない。
そうなんだ。その通りなんだよ。正六角形のしきつめの場合は、1つの点に3つの角が集まっているよね。つまり、1つの角は\(120^{\circ}\)だ。正六角形の1つの角の大きさは\(120^{\circ}\)だから、これもぴったりなんだよ。
ところで、この市松模様。昔は長岡城の床の間にも使われていたそうだよ。
へえぇ。そういえばちょっと前に、マンガに出てきた黒と緑の市松模様が大流行したね。
そうそう。あったよね。市松模様は、英語では「チェッカー」と呼ばれていて、F1などで見るチェッカーフラッグも、世界中で古くから使われているよ。日本だけでなく、いろいろな国で長く使われてきた人気の模様には、こんな秘密があったんだね。
*アオーレ長岡/新潟県長岡市。2012年オープン。設計は建築家の隈研吾氏。
〒940-8501 新潟県長岡市大手通
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