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中学校

2024.10.16

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践61~デジタル教科書/操作編(3年 相似な図形④)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 今回は、3年で学習する相似な図形の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践61~デジタル教科書/操作編(3年 相似な図形④)~01

①アニメーションを活用して「ねらい」到達への道筋を支援する

□単元:5章 相似な図形  □内容:p.143 平行線と比の導入  □学年:中学3年

 教科書p.143は、平行線と比の導入になります。生徒にとって身近なノートを題材にし、ノートの罫線を3等分する方法について調べることを通して、三角形と比の定理を学んでいく内容となります。
 しかし、私の授業ではノートを使うように指示していません。もちろんノートを使うことは個々の自由にしていますが、授業の流れをコントロールしたり、より流れや内容がわかるようにしたりするために、自作のワークシートを生徒に配付しています。そのため、ノートの罫線を提示するためにワークシートに貼り付けることも考えましたが、どうしても紙幅を大きく使ってしまうので、この題材をどう扱うか迷っていました。生徒に自由にかかせる作業を行わせると、説明を理解させたり、個々の技能によって作業時間が異なったり、いろいろな案を確認したりすることに時間がかかってしまいます。このような説明を読み適切に作業することを不得意とする生徒もいるため、この作業自体が壁となりえます。そのため、本来行わせたい内容に生徒がたどり着けないことも授業ではよく見る光景です。

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 それを解決してくれたのがデジタル教科書です。コンテンツを活用すれば、アニメーションで線をひくようすを確認することができ、わざわざ生徒にかかせる必要がありません。ここは線をかかせることが目的ではなく、導入でイメージを膨らませたい部分なので映像を見るだけで十分だと考えています。もちろん生徒に実際に作業させたり、多様な考えを共有したりする場面も大切ですが、それは授業の「ねらい」がその場面に含まれている場合です。

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②デジタルコンテンツで図形の感覚を高める

□単元:5章 相似な図形  □内容:p.144~p.145 三角形と比の定理  □学年:中学3年

 ここでは前述したノートの罫線を3等分できる理由を説明できるように考えていきます。ノートの罫線を使って三角形をつくり、罫線が平行であるという条件から2つの三角形が相似になることを証明していきます。この証明から導いた定理が三角形と比の定理です。
 意外に見落とされてしまうのが、砂時計のような形です。定理の条件には、「\(\triangle\text{ABC}\) の辺 \(\text{AB}\) 、\(\text{AC}\) 上の点をそれぞれ \(\text{D}\)、\(\text{E}\) とするとき」となり、これを図にしたものが教科書のまとめにもかかれています。ここで、2点 \(\text{D}\)、\(\text{E}\) が辺 \(\text{BA}\)、\(\text{CA}\) の延長上にあると捉えることもできます。そうすると、砂時計のような形でも三角形と比の定理が成り立つことがわかります。しかし、この確認の際に、対応する点の位置関係が辺の延長上になるということが納得しきれない生徒も出てきます。

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 そのようなときに有効なのがデジタルコンテンツです。点 \(\text{A}\)、\(\text{D}\) 、\(\text{E}\) を動かすことができるので、点 \(\text{A}\) を右に動かしたり、下の方に動かしたりすることで「どのようにして砂時計のような形になるのか」を確認することができます。砂時計のような形も2つの三角形の相似を利用して証明することができますが、デジタルコンテンツなら図形が変化する過程を、イメージを通して納得させることができるので、図形の感覚を養う機会としても一役買うはずです。

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