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中学校

2024.10.04

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践60~デジタル教科書/操作編(3年 関数と図形編)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 今回は、3年で学習する関数と図形の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践60~デジタル教科書/操作編(3年 関数と図形編)~01

①デジタルコンテンツで問題解決の見通しを立てる

□単元:4章 関数\(y=ax^2\) □内容:p.124 三角形上の点が動いた距離とその点がつくる三角形の面積の問題 □学年:中学3年

 教科書p.124は、章の問題Aとして問題演習を行います。\(\boxed{\ 5\ }\) は、点 \(\text{P}\) と点 \(\text{Q}\) の2つの点が、三角形 \(\text{ABC}\) の辺 \(\text{AB}\) と辺 \(\text{BC}\) 上を移動することできる三角形 \(\text{PBQ}\) の面積の変化を関数に表す問題です。\(\text{BP}\) の長さを \(x\) cm、\(\triangle\text{PBQ}\) の面積を \(y\) cm2としたときに、\(y=ax^2\) の関数を導き出します。
 動点の問題は、条件が多く、数学が得意でない生徒にとっては解答が困難であり、図で確認しても問題解決の方法を見いだせない生徒も少なくありません。そのようなときには、デジタル教科書のシミュレーションで問題解決の見通しを立てる手助けをするとよいでしょう。

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 シミュレーションなので、問題の図から点 \(\text{P}\) を自由に動かせることができます。1cm刻みの目盛りを使って面積の大きさがどう変化していくのかを確かめることができます。また、「点 \(\text{P}\) が動いた部分を表示」にチェックを入れることで、\(\text{BP}\) の長さが赤くなり三角形の底辺と高さの変化や関係を考える際のサポートになるはずです。
 変域を考える際にも、本シミュレーションなら面積の変化を可視化できるので、「\(x\) と \(y\) の最小値と最大値がどう決まるのか」「なぜそのような値になるのか」について多くの生徒が納得することができていました。

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②デジタル上でパズルを再現することで思考の試行錯誤を優先!

□単元:5章 相似な図形 □内容:p.155 相似な図形の面積と体積の導入 □学年:中学3年

 教科書p.155は、相似な図形の面積と体積の導入です。はじめに、相似な図形の相似比をもとに、面積の大きさの違いはどうなるのかを、実際に三角形と四角形を使って調べます。大きい図形は小さい図形の何個分なのかを考えるとき、図のような三角形であれば、小さい三角形のまま向きを変えるだけで考えることができるので、頭の中でもイメージしやすいでしょう。しかし、図のような四角形になると四角形を分割する必要が出てきます。その場合、パズルのように組み合わせて作業をするのが有効となりますが、それをするには画用紙をはさみで切ったりするなど、どうしても準備が必要になります。

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 そのようなときに有効なのがデジタル教科書のシミュレーションです。あらかじめ切り取り線が入っているので、向きを変えたり、動かしたりすることができ、デジタル上でパズルを再現することができるので手間がかからず、容易に確認することができます。また、何度もやり直しができるため、失敗することもありません。さらに、パズルは2通りあるので、図形の感覚を養う機会にもなることでしょう。

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