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中学校
2023.12.19
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術実践㊶ ~デジタル教科書/操作編(1年 空間図形②)~
相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生
今回は、1年で学習する空間図形の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。
①自分で確認し、気づくから主体性が高まる
□単元:6章 空間図形 □内容:p.190 立体の特徴 □学年:中学1年
空間図形の導入では、身の回りにある建物やモノから立体図形を想起させ、立体図形の側面と底面がどこの面になるかを学びます。従来の紙ベースの教科書では立体を扱う際には、どうしても実物モデルがないとイメージできない生徒が多くいました。しかし、デジタル教科書では、3DCADのように、見取図を自由に動かすことができ、側面、底面をいろいろな方向から確認することができます。これによって多くの生徒が側面や底面の図形とその数を自分たちで気づくことができます。教師が説明するよりも、生徒が自分で確認して気づくことが主体性を育む一助になります。
②正多面体の特徴も自分で確認し、気づくことで定着する
□単元:6章 空間図形 □内容:p.191 正多面体の特徴 □学年:中学1年
正多面体の特徴は、次の2点です。
1⃣ どの面もすべて合同な正多角形である。
2⃣ どの頂点にも面が同じ数だけ集まっている。
しかし、ただ説明されただけではすぐに忘れてしまいます。まずは、美しい立体を生徒に見せ、その特徴を自分たちで調べさせて気づかせることが定着に繋がります。紙ベースの教科書の巻末にも手作りできる厚紙が付属されており、作ることができます。作らせる過程でさまざまな気づきを促すこともできますが、技能の差もあり、どうしても時間がかかります。授業者としては、作り終わった後の管理方法を考えるのも手間で、なるべく1コマの授業の中で完結させたいのですが、作ることに大幅な時間を割いてしまい、肝心の確認まで進まないということもあるでしょう。そのようなときに便利なのがデジタル教科書です。①と同様に正多面体を3Dで動かすことができます。
このツールを用いれば、正多面体を動かしながら、どの面も合同になることや頂点に集まる面の数を確認することが容易にできます。
③振り返り課題でも、3Dコンテンツを活かそう
正多面体の特徴を確認する振り返りの課題として、次のような課題を提示しました。
授業の振り返り(次の課題を通して、自分がこの授業でわかったことや自分の考えを書こう!)
課題
図のような、すべての面が正三角形である六面体は、正多面体ではありません。その理由を答えなさい。
この課題に対する解答を確認したときに、すべての面が正三角形であることから、正多面体の条件「 どの面もすべて合同な正多角形である」と判断し、六面体は正多面体であると答える生徒もいます。そのようなときに正多面体の条件「 どの頂点にも面が同じ数だけ集まっている」に当てはまるかを確認させます。課題シート上の図だけだと、正面から見たときの頂点に集まる面の数は容易に確認できますが、六面体を上から見たときの頂点に集まる面の数は確認しづらい状態です。そのようなときにもデジタル教科書の3Ⅾコンテンツを利用し、六面体を動かして確認することによって、問題解決に役立てることができました。
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