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小学校
2023.01.30
【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン② 指導者用デジタル教科書の使い方(基礎編)
前回の記事で、デジタル教科書には指導者用と学習者用があるという話をしました。
今回からは、2回続けて指導者用デジタル教科書について、その特長や使い方を見ていきたいと思います。
ステップ1 教科書の本文や図版を拡大して、課題を焦点化
指導者用デジタル教科では、上のように、教科書の本文や図版をクリックするだけで拡大提示することができます。数直線や図表をわざわざ板書したり、提示用に拡大コピーしたりする必要はありません。このように、指導者用デジタル教科書の効果として最も大きいのは、「授業(授業準備)の効率化」です。
拡大提示することには別の効果もあります。例えば授業で「教科書p.〇の図1を見て」と指示したとしても、そのページが開けない子や、ページの中のどこを見てよいか分からない子もいます。また、教科書には考える際のヒントや答えが書かれている場合があり、最初から教科書を見せてしまうことに抵抗のある先生もいらっしゃると思います。
そんな時、デジタル教科書の拡大機能を使うと、余計な情報をかくして、注目させたい箇所に確実に子どもたちの意識を向けることができます(課題の焦点化)。
ステップ2 アニメーションや動画で分かりやすく説明
指導者用デジタル教科書では、さまざまな動画やアニメーションなどのデジタルコンテンツを紙面から直接呼び出す事ができます。
例えば下は小学校算数6年生で円の面積の求め方を考える場面に収録されているコンテンツです。
教科書では、円の分割の単位を細かくしていくことで長方形に近づくようすが図で表現されていますが、それをアニメーションで示すことで、より直感的に理解する事ができます。
また、下は、小学校3年生の「時こくと時間のもとめかた」の単元に収録されているコンテンツです。
時刻や時間の計算は、一般的に以下のような難しさがあると言われています。
- 目に見える長さやかさと比べ、量としてとらえにくいこと
- 60進法と12進法が混在する複雑な目盛りになっていること
- 目盛りが円形になっており、読み取りが難しいこと
デジタル教科書では、そういった難しさを解消するために、針の動いた軌跡を帯(長さ)で表すと同時に、円形の目盛りを見慣れた直線の数直線に置き換えることで読み取りやすくする工夫をしています。
こういったコンテンツの中には、インターネット上で似たようなものが公開されている場合もあります。しかし、それらは教科書に掲載しているものと全く同じではありません。
その点、指導者用デジタル教科書に収録されているコンテンツは、教科書と全く同じ場面、同じ見た目、同じ編集方針に沿って作られているため、子どもたちにとっても分かりやすく、安心してご利用いただくことができます。
ステップ3 くり返しやふり返りで知識・技能を定着
デジタルには何度もやり直したり、繰り返したりする事が容易という特性があります。また、紙面の制約がないため、教科書には収まりきらない資料も豊富に収録する事ができます。
これらの特性を活かして、関連する内容や、定着させたい内容を繰り返し提示する事ができます。
例えば、算数の指導者デジタル教科書には、下のようなフラッシュカードが収録されています。
これらのカードは、教科書の関連する場所に掲載しているだけではなく、左右のツール上の「算数道具箱」ボタンからいつでも呼び出すことができるので、例えば授業が始まる前のちょっとした時間などでもすぐに呼び出すことができます。
また、他学年の内容も収録しているため、ふり返り用のコンテンツとしても活用できます。
さらに、下のように、関連する既習事項を、学年や巻をまたいでふり返る機能もあります。
算数は系統性が大切な教科ですが、紙の教科書を毎回全巻持ってくるわけにはいきません。その点、指導者用デジタル教科書を使うと、下巻から上巻のふり返りや、学年をまたいだふり返りも簡単に行うことができます。
いかがでしたでしょうか?今回は指導者用デジタル教科書の使い方(基礎編)として、「提示する」ことを中心にした3つのポイントをご紹介させていただきました。
デジタル教科書というと難しく感じてしまう先生もいらっしゃるのではないかと思います。しかし実際には教科書の該当ページを開いて、紙面上の使いたい箇所をクリックするだけです。あまり難しく考えずに、まずは一度開いてあちこち触ってみてください。
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