教科書・教材のひと工夫(高校)
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- 【統計的な推測】仮説検定における“過誤”の扱い(A…
『数学B Advanced』の「統計的な推測」では,節末に設けた思考力を問う問題(下線つき問題※)で,次のような問題を取り上げています。
仮説検定では,得られた標本をもとに確率を用いて仮説を評価するため,以下のような誤った判断を下してしまう場合があります。
第一種の過誤:帰無仮説が正しいにもかかわらず棄却してしまう誤り
第二種の過誤:対立仮説が正しいにもかかわらず帰無仮説を棄却できない誤り
問題19の表中の①は,第一種の過誤にあたります。
「帰無仮説が正しいにもかかわらず棄却してしまう」のは,帰無仮説の状況において非常に珍しいと判断される標本が得られた場合ですから,その確率は有意水準と一致します。
有意水準を高く設定すると帰無仮説を棄却できる確率が高まりますが,同時に誤った判断を下してしまう確率も高まることが理解できます。
仮説検定は問題のバリエーションが乏しいこともあり,ゆくゆくは共通テストや大学個別試験で“過誤”が題材として取り上げられる可能性もあります。
出題においては上記のような用語や定義が示されるはずですが,過誤の存在だけでもあらかじめ知っておくとよいかもしれません。
※「下線つき問題」の詳細については,こちらをご覧ください。
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