今日の授業のひと工夫(小中学校)
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- 【3年1章】[発展]たすき掛け
中学校では、共通因数をくくりだすことや因数分解の公式を使った因数分解を学びます。これまで、文字の数や次数を増やしてきた経験から、\(2x^2+5x+2\) のような \(x^2\) の係数が1ではない場合の因数分解に興味を持つ生徒がいるかもしれません。そのような生徒には、たすき掛けを用いた因数分解を紹介してもよいですね。
例えば、\(2x^2+5x+2\) は因数分解の公式や共通因数でくくりだすことができませんが、p.273の因数分解パズルを使うと、次のように因数分解することができます。
ここでは、たすき掛けの方法を簡単にご紹介します。
\(acx^2+(ad+bc)x+bd\) は次のように因数分解することができますね。逆から考えてもよいかもしれません。\((ax+b)(cx+d)\) を展開すると最初の式になりますよね。この式をもとにたすき掛けの因数分解を考えていきます。
今、考えている式は \(2x^2+5x+2\) であるから
をみたす \(a\)、\(b\)、\(c\)、\(d\) を見つければ、因数分解することができます。このとき、下の図のように式をかいて、探していきます。例えば、\(ax\) と \(d\) をかけると\(\longrightarrow\)の先の \(adx\) となります。\(cx\) と \(b\) をかけても同じですね。その\(\longrightarrow\)先の結果を足すと \((ad+bc)x\) となるということを表しているのが、右下の式になります。
この右下の式が②と一致しているので、まず、①と③に注目して、\(a\)、\(b\)、\(c\)、\(d\) の値を考えます。実際の数で考えると、次のようになります。
\(\longrightarrow\)の先の結果はそれぞれ \(2x\) となり、これらの和は \(4x\) となります。これは、②をみたしていないので、また別の数を探します。
これは、①、②、③すべてをみたしているので、\(a=1\)、\(b=2\)、\(c=2\)、\(d=1\) が見つかりましたね。あとは、もとの式に代入して \(2x^2+5x+2=(x+2)(2x+1)\)と因数分解することができました。
たすき掛けは慣れるまでは理解が難しいかもしれませんが、因数分解する1つの方法として知っておいてもよいかもしれませんね。
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