今日の授業のひと工夫

中学校

2023.04.01

【2年2章(自由研究)】
テーブルマジック

2年巻末p.203「テーブルマジック」は、硬貨を使ったテーブルマジックのしかけを文字を使って考え、連立方程式からそのしかけを説明することができます。生徒もマジックの不思議さに興味を持って取り組むことが考えられるので、授業で扱ってみてはいかがでしょうか。

【今日の授業のひと工夫】【2年2章(自由研究)】テーブルマジック01
▲新しい数学2 p.203

テーブルマジックをやってみよう!

  1. 「硬貨を使ったテーブルマジックがある」と伝え、まず、生徒に好きな数を言わせます。例えば10であれば、10枚の硬貨を使います。少な過ぎたり多過ぎたりしなければ何枚でもよいので、枚数をあらかじめ知っていたわけではないことが印象づけられるようにしましょう。
  1. 次に、ルールを説明したうえで、代表の生徒を指名し、ルールにしたがってすべての硬貨を左か右に移動させます。このとき、教師は黒板のほうを向いたままで、ひそかにかけ声の回数を数えておきます。
  2. 最後に、左と右にそれぞれ何枚の硬貨があるかを当ててみせましょう。
【今日の授業のひと工夫】【2年2章(自由研究)】テーブルマジック02

(左の枚数)\(=\)(かけ声の回数)\(\times 2\ \ -\)(硬貨の枚数)・・・★
(右の枚数)\(=\)(硬貨の枚数)\(-\)(左の枚数)
で求めることができます。何度かやらせても、いつでも言い当ててみせることで生徒は不思議に感じるでしょう。そこで、しかけを考えさせましょう。

【今日の授業のひと工夫】【2年2章(自由研究)】テーブルマジック03
▲新しい数学2 p.203

何度やっても枚数を当てられることやわかっていることから、文字を使って考えるようにしたいですね。左に移動した回数を \(x\) 回、右に移動した回数を \(y\) 回とすると、次のような方程式ができます。

【今日の授業のひと工夫】【2年2章(自由研究)】テーブルマジック04

この2つの式から①\(\times 2-\)②で \(x\) の値、すなわち左の枚数がわかるというしかけになっていますね。先生が左の枚数を求めた方法(★)がこの連立方程式を解く過程のどの部分なのか考えてもよいですね。

同じようなテーブルマジックとして、江戸時代の数学書『勘者御伽雙紙』(中根法舳著、1743年)に次のような数あて遊び「さっさ立て」があります。

  1. まず、相手の人に碁石を30個渡します。
  2. 相手はそれを一度に1つか2つずつ取っていきますが、1つ取ったときは自分の左側に、2つ取ったときは右側におきます。そして、取るたびに、「さあ、さあ、さあ」と声をかけます。
  3. 当てる人は後ろを向いたままで、その声を聞いただけで、左にいくつ、右にいくつ置いたかをあてる遊びです。

「さっさ立て」という名前は、左右に分けるとき、「さあ、さあ」とかけ声をかけることからつけられたものです。「さっさ立て」には、碁石を1つと3つに分ける場合や、2つと3つに分ける場合も考えられます。

授業でこうした遊びの中の数学を取り上げてみるのも面白いですね。

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