今日の授業のひと工夫(小中学校)

中学校

2023.01.18

【1年6章】
おうぎ形の面積

1年6章p.214の数学のまどでは、おうぎ形の面積が \(S=\dfrac{1}{2}\ell r\) と表されることを紹介しています。直前に、例2を解く過程を通して、中心角 \(a^{\circ}\)のおうぎ形の面積を求める式 \(S=\pi r^2 \times \dfrac{a}{360}\) の \(\dfrac{a}{360}\) を \(\dfrac{\mathrm{(弧ABの長さ)}}{\mathrm{(円Oの円周)}}\) や\(\dfrac{\mathrm{(底面の半径)}}{\mathrm{(母線の長さ)}}\) におきかえて、中心角を求めなくても面積が求められることに触れています。

【今日の授業のひと工夫】【1年6章】おうぎ形の面積01
▲新しい数学1 p.214

例2、問3で求めた円錐の側面積は、半径 \(r\) 、弧の長さ \(\ell \) のおうぎ形の面積が \(S=\dfrac{1}{2}\ell r\) で表されることを利用して求めることもできますね。数学のまどでは、図を使ってこの式を直観的に理解させる扱いにとどめていますが、2年p.33章の問題 \(\boxed{ 4 }\) ではおうぎ形の弧の長さと面積の公式を利用して \(S=\dfrac{1}{2}\ell r\) となることを導きます。

【今日の授業のひと工夫】【1年6章】おうぎ形の面積02
▲新しい数学2 p.33

ここで導いた等式 \(S=\dfrac{1}{2}\ell r\) の価値は、おうぎ形の面積を、三角形の面積公式と同じようにみて求めることができるという点にあります。これは、三角形の面積の公式におうぎ形の面積の公式を統合したともいえますね。おうぎ形の中心角を小さくすれば、円周が直線に近づき、おうぎ形が三角形に近似されます。このことを見せると、等式の意味をより深く理解することが期待できますね。

【今日の授業のひと工夫】【1年6章】おうぎ形の面積03
▲新しい数学3 p.35

さらに、3年p.35例2の図で \(r=0\) の場合を考えると、円の面積も(幅)\(\times\)(真ん中を通る線の長さ)に統合してみることができます。1年p.214の数学のまど「おうぎ形の面積」で扱った \(S=\dfrac{1}{2}\ell r\) という式も、幅が \(r\) 、真ん中を通る線の長さが \(\dfrac{1}{2}\ell \) とみることができますね。

おうぎ形の面積の等式は、このように様々な見方ができます。それぞれの学年で適切に扱い、理解を深めたいところですね。

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