今日の授業のひと工夫(小中学校)
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- 【3年4章】渋滞学を学んでみよう
3年4章p.122、123では、「渋滞学」について取り上げています。車の渋滞は我々の経済活動に莫大なマイナスをもたらしており、その解消は社会的意義が極めて大きい出来事です。この渋滞解消のために、実は数学も活用されていることに気づいてもらうのがこの教材のねらいです。
車の渋滞は1960年代以降、高度経済成長で車の保有率が増え、物流も活発化した際に社会問題になってきました。逆にいえば1960年以前は、車の渋滞はほとんど社会問題にはなっていません。これ以降、渋滞の研究分野として交通工学が発達し、主に大学の工学部で研究が進められていきました。
これに対して1990年以降に、理学部の物理学や数学の立場で車の流れを研究するグループが日本やドイツなどで出現し、本項で紹介した「渋滞学」もこの頃に誕生しました。このような背景も一緒に伝えると生徒の理解もより一層深まるかもしれませんね。
ここで紹介している箱と玉を用いて車や人の動きを考える手法は、数学では「セルオートマトン」とよばれています。箱はセル(細胞)と見ることができ、その中にある玉がある規則で機械的(オートマトン、自動機械とも訳せる)に動いていくことで現象を記述する方法です。
つまり、現実の対象をうまく箱に区切り、そこに入っている玉の動きで現象を表し、複雑な現象を単純化しているのがこの方法の特徴です。これは計算機で扱いやすいため、経済や人の流れなど複雑な現象を単純にモデル化して理解しようという考えのもと、近年世界中で使われています。
このように、複雑な日常生活の問題も単純化やモデル化することで解決することができます。この考え方は関数だけでなくほかの領域でも日常場面で数学を使って解決するために大切な考え方ですね。
ここではDマークコンテンツを用意しています。インタビュー動画やScratchによる渋滞のシミュレーションを是非授業のなかで活用してみてください。
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