今日の授業のひと工夫(小中学校)

中学校

2025.06.25

【1年3章】
方程式を等式の性質を使って解いてみよう

「新編 新しい数学」1年3章p.96ではてんびんの図を用いて等式の性質を導き、p.97ではその等式の性質を使って方程式を解いていきます。

【1年3章】方程式を等式の性質を使って解いてみよう01
▲1年 p.96

Qは、生徒が等式の性質を導く流れを大切にして指導したいところです。てんびんの図を用いて、おもり1つ分とつりあう重さを考えるプロセスを通して、等式の性質を導いていきます。生徒が等式の性質を導くことで、性質をよりよく理解することができ、後の学習でもこの活動が有効に働きますね。

方程式をてんびんのイメージとして捉えていれば、例えば、等式の性質5は左右の皿を入れ替える操作と同じと考えると、理解しやすい性質になりますよね。そうすることで、混同しがちな等式の性質5と移項を区別して、生徒は理解しやすくなります。

実際にてんびんのおもりやお皿を動かすことができるQRコンテンツを使うことで、方程式とてんびんのイメージをより結び付けやすくなります。是非ご活用ください。

【1年3章】方程式を等式の性質を使って解いてみよう06
▲QRコンテンツの画面
【1年3章】方程式を等式の性質を使って解いてみよう04
▲1年 p.97

p.97例2では、等式の性質を使って方程式を解いています。生徒のなかには、方程式を解くことと式を計算することの区別ができないで、\(x+9-9=4-9=-5\) のように書き、途中で何をしているのかわからなくなってしまうことがあり、注意が必要です。

「方程式を解く」ということは、等式を、等式の性質を使って変形していくこと、つまり、「(左辺)\(=\)(右辺)」の形を保っているということをしっかり確認することが大切になってきますね。p.96のQRコンテンツのてんびんの図を活用して、「(左辺)\(=\)(右辺)」を「てんびん」のイメージで捉え、方程式を解く過程を確認することで、方程式を解くことと式を計算することの混同を少なくしたいですね。

【1年3章】方程式を等式の性質を使って解いてみよう05
▲1年 p.97

例3では、等式の性質4を使って、左辺の \(x\) の係数 \(4\) を \(1\) にするために、両辺を \(4\) でわっています。見方を変えると、等式の性質3を使って、両辺に \(x\) の係数 \(4\) の逆数 \(\frac{1}{4}\) をかけているという意識も持たせたいところです。また、問4(2)では、\(-6\) と \(3\) の2つの数に目がいってしまい、その数の関係で「 \(x=-2\) 」と誤ってしまう生徒も少なくありません。例3と同じように、等式の性質を使って、両辺に \(x\) の係数 \(-6\) の逆数 \(-\frac{1}{6}\) をかけたり、\(-6\) でわったりすることを意識して解かせたいですね。

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