特集記事(小中学校)

小学校

2026.06.17

【算数・数学で考えよう! SDGs】4年上「算数で読みとこう 食べ残しをへらそう」を活用した取り組み

 今回お届けするのは、弊社が運営しているSDGs学習サイト「EduTown SDGs」とのコラボ企画第3弾です!
 本記事では、東京書籍の『新編 新しい算数』4年生上巻「算数で読みとこう 食べ残しをへらそう」(p.132)の教材を使った、算数・数学科の学習とSDGsで掲げられている社会課題の解決をテーマにした指導案をご紹介します。
 今回、指導案を考えてくださったのは、神戸市立本山南小学校の近藤美里(こんどうみさと)先生です。
 算数の時間にSDGsのような探究的な要素を取り入れる際のポイントや、ICTツールの効果的な活用方法、授業後の子どもたちに期待することなど、読み応えのある内容となっております。ぜひご覧ください!

~教えてくださった先生~
神戸市立本山南小学校
近藤 美里先生

本山南小学校勤務6年目。「全員参加」の授業を心掛け、自分の考えをもつための手立てを日々、工夫しています。

近藤美里先生

1 授業の展開例

① 問題把握

★【導入】EduTown SDGs 目標2「飢餓をゼロに」の動画を視聴する

  • 世界では飢餓で苦しむ人がたくさんいる ⇔ 一方で日本には食べ残し問題がある

※国民全員が毎日お茶碗1杯分の食料を捨てている。
 →給食を○○小学校では…くらい残している。(具体的なイメージをもたせる)
※食べ残しがなぜ問題なのかを考える。
 →捨てたものはごみとなる。ごみを燃やす→二酸化炭素→環境問題が発生する
 社会科のごみの勉強で学習したことと関連付けて、子どもたちに問題意識をもたせる。そこから、自分たちの給食の食べ残しについて調べて、「どうやったら食べ残しを減らすことができるか考えよう」と本時の見通しをもたせる。

【算数・数学で考えよう! SDGs】4年上「算数で読みとこう 食べ残しをへらそう」を活用した取り組み02

導入の板書例

② 自力解決

  • ❶  データ1のぼうグラフにデータ2の気温の折れ線グラフをかきたす。
  • ❷の「はるとさん」の予想は正しいといえるか、ペアで話し合い、意見交流をする。
  • その後、全体で共有する。

③ 集団解決

  • ❸❹ データ1、データ3~5を見て、好きな料理・苦手な料理と、残った給食の量の関係について話し合う。
  • 教科書にのっている「みさきさん」と「はるとさん」の考えを取り上げ、言葉の続きを考える。

※データのどの部分に着目しているかを確認し、複数のデータを関連付けた読み取りの仕方をクラス全体で共有する。

  • 2人の考えをもとに、そこから読み取った自分の考えを発表する。難しい場合は、教師から事実を提示し、その理由を考えさせるようにする。

※データから「読み取ったこと」と、「そこから考えられること」の両方を考えさせるようにする。

 【発表内容の例】 

例1. 残った給食の量に着目

・4日、11日、13日は食べ残しが特に多い。(はるとさんの考えをもとに)

考えられること

・野菜スープや野菜いためなど、苦手な料理に野菜が入っているからではないか。

・7月は暑い時期なので、温かいスープは飲みにくかったのではないか。

 →ほかに汁物が出た日は…15日のみそしるの日も残食が多い。


例2. 苦手な料理に着目

・サラダは苦手な料理の1位だが、サラダが出た日の食べ残しの量は少ない。(みさきさんの考えをもとに)

考えられること

・一緒にカレーライスやハンバーグなど、好きな料理が出ているからかもしれない。

・海そうサラダの日は食べ残しが少ないから、サラダの種類によって好き嫌いがあるのかもしれない。

【算数・数学で考えよう! SDGs】4年上「算数で読みとこう 食べ残しをへらそう」を活用した取り組み03

発表内容の板書例

④ まとめとふりかえり

  • ❺ 給食をなるべく残さないためにできることをグループで話し合う。
  • 低学年と高学年で残す理由が少しちがうことをデータから確認する。
  • 自分の考えを書いたあと、グループで共有する(※授業支援クラウド「スクールタクト」の機能、ICTツールの活用)。

※発表したことを「低学年」「高学年」に分け、教科書のデータ6に書き込む形で板書にまとめる。

【算数・数学で考えよう! SDGs】4年上「算数で読みとこう 食べ残しをへらそう」を活用した取り組み04

データ6に書き込むときの板書例

2 活用のメリットやポイント

メリット

  • 導入で「EduTown SDGs」の動画を見せることで、児童の興味・関心をひきつけると同時に、「なぜ食べ残しが問題なのか」という問題意識をもたせることができる。
  • 日本での食べ残し問題から、最終的に「自分の学校での食べ残し問題」へ焦点をしぼることで、子どもたちがより自分事として課題解決にあたることができる。

デメリット(指導上の留意点)

  • 動画の視聴から、本時の課題に入るまでに時間を要するので、話し合い活動の軽重をつけないと、45分におさまりきらない可能性がある。
  • 本教材は1時間単元になっているが、データの読み取りに1時間(❹まで)、自分たちにできることの話し合いに1時間(❺)と、柔軟に計画を立ててもよいと思われる。

3 近藤先生への一問一答

― EduTown SDGsを算数の授業に取り入れてみた感想を教えてください。
導入で映像を見せることで、子どもたちの興味をひきつけ、本時の課題に入る前にしっかりと問題意識をもつことができるのが良さだと感じました。世界では飢餓で苦しんでいる人がいる一方で、日本では、そして自分たちの学校ではどうだろう…と、少しずつ焦点をしぼることで、子どもたちは自分事としてとらえることができていました。

― 授業前と授業後で子どもたちにどのような変化を期待しますか?
1時間の授業がそこで完結するのではなく、授業の中で考えたことを実際の学校生活の中で実践しようとする態度につながれば嬉しいです。その実践を後押しするために、こちらから「○○作戦やってみようか」と、子どもたちに働きかけることも大切になってくると考えています。

― 算数とSDGsにはどんなつながりがあると思いますか?
データを通して、さまざまな問題に出会い、世界中の国とつながることができます。また、算数で学んだグラフの読み取りなどの知識が、社会科や理科、その他の教科の学びともつながっていることを実感でき、より算数を身近に感じられるようになると思います。

〇「EduTown SDGs」とは
記事内で紹介された「EduTown SDGs」は、小学生から高校生までを対象とした、SDGsについて一から学べるウェブサイトです。ウェブサイトでは、SDGsの17の目標とそれらの解決に取り組む企業の事例を解説映像と解説記事から学ぶことができます。
また、ウェブサイトの内容を凝縮したSDGs学習冊子「SDGsスタートブック2026年度版」のお申し込みを現在受付中です。ご希望の部数を無償でお届けいたしますので、ウェブサイト内の申込フォームより奮ってお申し込みください!

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