特集記事(小中学校)
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- 私の教科書『推しページ』 #1 佐藤寿仁 先生
「私の教科書『推しページ』」は、全国の先生方に『推しページ』について語っていただくコーナーです。推しページは、思い入れのあるページ、他の先生方に注目してほしいページ、研究の場面でよく利用しているページなど、それぞれの「推し」の観点で選んでいただいています。
今回は、岩手大学で「探求的な学び」、「授業研究コミュニティ」について研究されている佐藤寿仁先生に語っていただきました。
選んでいただいたページは、新編 新しい数学1のp.237-238の第7章「データを活用して判断しよう-データの分析と活用-」の2節「データの活用」の深い学びのページです。

『推しページ』 新編新しい数学1 p.237-238
「運動時間は増えたかな?」


データの活用の授業は、統計的問題解決のプロセス、題材設定、ICT活用など、準備に力が入る単元ではないでしょうか。そのような学びの充実につながる私の『推しページ』を紹介します。1年生第7章2節、深い学びのページです。
このページの一番の推しは、ヒストグラムや度数折れ線をつくること自体が目的ではない点です。大切にしているのは、「問いに答えるために、データをどのように整理すればよいかを検討し、吟味すること(評価・改善)」を生徒自身が考える構成になっているところです。最初の問いは、「運動時間は増えたかな?」という、とてもシンプルな問題です。体育委員会の取り組みという身近な場面ですので、生徒も自分事として考えやすい設定です。まずは度数折れ線を用いて前後の分布を比較し、横方向のズレに着目して考察します。

運動時間の多い方へのズレを読み取ることができますが、ここでは生徒一人一人の変容までは十分に捉えることができていません。そこで、問いに立ち戻り、「一人ひとりの運動時間の増減(差)」に着目します。その差を求め、そのデータをヒストグラムに整理すると、個人ごとの変化が見えやすくなります。同じデータでも、整理の仕方を変えることで見え方が変わる、この体験こそが、このページの深い学びです。

さらに、Dマーク(2次元コード)から実際のデータを扱える点も魅力です。部活動の違いなど新たな視点で探究する活動へと広げることもできます。

「問いに答えるには、どのように整理すればよいか」。その視点を大切にすることで、技能だけでなく、データを根拠に考える力を育てる授業になるはずです。
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