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高校

2025.10.02

レジェンドを活用した指導の実践(NEW ACTION LEGEND)

 「使用実践例」は,全国の高校の先生から,教科書・教材の実際の活用のご様子を紹介していただく企画です。
 今回は,参考書『NEW ACTION LEGEND』シリーズについて,隅田先生にお伺いしました。

高知学芸高等学校
隅田 将之 先生

ご勤務校について教えてください。

 本校は,高知市にある私立の中高一貫校です。1学年は280人ほどで,高校1年から選抜クラスを設けるなどの習熟度別クラス編成を始め,高校2年で文系コース・理系コースに分かれます。
 中学3年から数学Ⅰ,Aの学習に入り,理系でも高校2年のうちに数学Ⅲ,Cまで終えるペースで進めています。『NEW ACTION LEGEND』(以下,レジェンド)は中学3年から全員に持たせており,大学入試にいたるまで様々に活用しています。

なぜ本教材を採用されたのですか?

 この参考書をひとつ仕上げれば大学入試に対応できるという信頼性です。真面目な生徒のレジェンドは,付箋だらけで辞書のようになっています。

 基本的に,参考書は“生徒が自ら先に進んでくれる”ことを期待して持たせています。とはいえ,中学3年や高校1年で参考書をしっかり活用できているかというと,そうでもありません。学力層の幅が広いので,自分で進められる生徒も,学習習慣がまだ身に付いていない生徒も共存しています。まずは“参考書を開く習慣”をどう身に付けるかが課題です。
 そうして高校2年の後半あたりになると,“足りない”と自覚している生徒は自分で参考書を開くようになります。参考書の例題レベルが身に付いて,高校3年で入試対策問題集に着手できれば大成功でしょう。
 レジェンドのよい点のひとつが,各例題にある思考のプロセス(問題を理解して解答の計画を立てるときの思考の流れを図解したもの)と,そこで用いられているプロセスワード(下記)です。授業でも,「逆向きに考える」「図にかく」といったプロセスワードを黒板に書きながら解説しています。

レジェンドを活用した指導の実践(NEW ACTION LEGEND)01
▲プロセスワード(一部)

本教材をどのように活用されていますか?

 参考書を開かせるためのストーリーをつくることが大事と考え,長期休暇の課題や定期テストの出題範囲にする以外にも,様々に活用しています。

傍用問題集も兼ねたプリント

 教員によっては,教科書の傍用問題集の代わりに,次のようなプリントをつくってレジェンドで授業を進めているクラスもあります。

レジェンドを活用した指導の実践(NEW ACTION LEGEND)04

 前半はレジェンドの例題,後半はその反復である練習の問題です。例題を授業で解説し,練習を宿題にして進めていきます。
 解答編も傍用問題集のそれより記述が充実しているので,生徒からも「レジェンドだけでよいのでは」という意見が出ることもあります。

「特講」をさらに特講化するテキスト

 選抜クラスでは,レジェンドの特講(重要なテーマの例題やコラムを体系的にまとめたもの)をさらに特講化させるオリジナルテキストで演習しています。整数や漸化式,空間図形の体積などの分野について,レジェンドの特講の類題と,それをさらに深堀りした問題を集め入試問題まで発展させたテキストを作成し,授業や長期休暇前の補習などで進めています。

 このとき,レジェンドは基礎的な内容がまとまっている資料として参照させ,「ここを見ればきちんと書いてある」ことを理解してもらいます。復習のために類題を探すときにも使いますね。

ご使用された感想や,生徒の反応などはいかがでしたか?

【生徒の反応】

 卒業生にレジェンドの何がよかったかを聞くと,口をそろえて思考のプロセス思考の戦略編を挙げます。各例題が巻頭にまとまっているプロセスワードと対応していて,そのうえで巻末にある思考の戦略編が横糸としてある,という構成がよいようです。

 レジェンドが仕上がった生徒には,より難しい問題で,プロセスワードを利用して解答のアイデアを試させたりしています。

 本のデザインも生徒に人気があります。

【教員の感想】

 自分たち教員も,「この内容の説明にはこの問題が丁度いいな」など,レジェンドを読んで気づくことや発見があります。

 コラムも,取り上げられている内容が,数学に興味のある生徒にちょうどよいと感じます。よい塩梅で厳密に書いてあるため,授業では具体的な数値で噛み砕いて解説し,一般の説明をレジェンドに任せる,という使い方をしています。

 これを仕上げれば高校数学がぐっと楽しくなると感じる参考書です。

隅田先生,ありがとうございました!

※参考書『NEW ACTION LEGEND』シリーズの詳細は,こちらをご覧ください。

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